映画・テレビ

The Holiday

少し前の映画ですが、「ホリディ」を観ました。心温まる、思わず巧いなと感心してしまう素敵なラブ・ストーリーでした。
おまけにケイト・ウィンスレット、ジュード・ロウ、キャメロン・ディアス、ジャック・ブラックの豪華キャストです。

ロンドン郊外に住むアイリスは、もう何年も同じ新聞社に勤める元彼を引きずっていて、セラピーを受けながらどうにかバランスを保っている。
社内でのクリスマスパーティーの夜、この元彼の婚約話をアイリスは聞くことになる。しかも相手は自分と付き合っていた時に彼が二股をかけていた相手。
直前まで元彼と思い出話をし、クリスマスプレゼントまで渡していたアイリスの深い悲しみは、ケイト・ウィンスレットの表情に手に取るように表れていました。こちらも思わず涙ぐんでしまうほど。あの表情は本当に素晴らしい。
この映画の中でのケイト・ウィンスレットのコミカルな演技、そして珍しく感じる弱い女性もなかなか素敵でした。やはり、上手い女優さんですね。
一方、LAに住む映画予告広告制作会社を経営するアマンダは、同棲していた男に浮気をされ、追い出したところ。長年暮らした男が出て行っても、涙すらみせないキャリア・ウーマン。
そんな彼女たちが失恋の傷を癒すため、旅に、できるだけ遠くに行きたいと考えて、家ごと車も交換することを決めることから物語は始まります。

この映画の巧いところは、キャラクター設定です。
4人の主な登場人物のキャラクターをしっかりと固定していて、その性格だったらどんな行動をするだろう、という視点でシーンが組まれているような気がします。
アイリスは気持ちのやさしい、真面目な女性。そこを元彼が都合よく利用していることに気づかず、悩んでいます。アマンダは両親の離婚以来泣いたことがない、強い現代女性。その彼女がグラハムと出会い、人間的な気持ちを取り戻していきます。
グラハムはイケメンで一見遊び人風だけど、本当は泣き虫で温かい心の人。マイルズは陽気でさりげないやさしさを持った人。
アマンダと酔っ払ったグラハムが初対面で寝てしまった翌朝の会話が素敵です。
自分が傷つかないようにお互いに防御を張り合うのだけれど、心が揺れているのがおしゃれでキュートな会話の中に表れています。「あなたと恋をするつもりはない」というアマンダにグラハムは「俺からの電話は期待しないでくれ」と最初言い、直後に「君の電話番号は?」と聞きます。
「たった一度寝ただけだから」とお互いに言いつつ、「すぐにLAに戻るなら関係ないかもしれないけど、パブにいるから良かったら来て」と言ってグラハムは出ていきます。
気がつけばそんなことになってしまった相手との、その翌朝の少しチグハグな会話。いきなりそんなことになってしまったからこそのその後の複雑さ。あなたもどこかで覚えがありませんか?
そして、アイリスの元彼のズルさやマイルズのさりげないやさしさやグラハムのキュートさはいかにも女性視点で、女性ならば「そうそう、わかる!」と思うはずです。わたくしもジュード・ロウのキュートさにまたまたやられました。

物語はLAとロンドンで進行し、慣れない土地でそれでも互いの友人知人等を含め次第にアイリスはLAで、アマンダはロンドンに馴染んでいきます。そして、新しい出会いを得、新しい人生を選んでいきます。
アイリスはLAでハリウッドで有名だった脚本家のおじいさんとの交流を通し、自分の人生の主役を生きることを教えてもらいます。そして本当に大切にすべき人とは、誰かなのか。
アマンダはグラハムの誠実な温かさに触れ、人間らしい感情を取り戻していきます。その後の二人の未来に、その恋に向き合うことを不安に思いつつ。
そして、最終的にそれぞれが選んだものは、やっぱり愛でした!
どんな困難があろうと、選ぶべきものは愛です。距離も時間も越えて、今そばにあって、共に泣き、笑ってくれる人と人は生きるべきだ、と教えてくれる映画です。

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スラムドック$ミリオネア

スラムドック$ミリオネア」を観て参りました。ゴールデン・グローブ賞及びアカデミー賞で数々の賞を受賞したダニー・ボイル監督作品です。
わたくしは、ゴールデン・グローブ賞の授賞式を見ていたのですが、本当に感動的でした。作品賞を受賞した時の彼らのコメント、確かあまりに興奮して時間がない!とかなんとか言ってませんでしたっけ?「アカデミーに向けて弾みになるし、次にインドで公開になるから、早くインドの仲間たちに報告したいよ」とかなんとか言っていたダニー・ボイル監督が印象的でした。
ダニー・ボイル監督といえば、「トレインスポッティング」、「普通じゃない」、「ザ・ビーチ」などで若者に人気のある、独特の感性を持った監督です。わたくしは、この3本とも観ていますが、「普通じゃない」面白かったです。「ザ・ビーチ」もわたくしが何度か遊びに行った島が舞台ですし、ハリウッドに進出してからもハリウッド的作品とは一味違う、社会や人間の闇にスポットを当てることができる貴重な監督です。
今回のこの「スラムー」も、出演陣の熱演はもちろん賞賛に値しますが、まず、こういった題材を取り上げた監督、作成側の情熱がわたくしは何よりも賞賛に値する、と思います。世の中をただ斜めの目線で見ることができる人は、たくさんいます。けれど、斜めの目線で問題を認識しながら、問題解決のために自ら行動できる人はなかなか少ないものです。ダニー・ボイル監督はそういう人です。
また、最近ボリウッドと呼ばれる程映画作りが盛んな地、インドでの作成という点もダニー・ボイル監督らしいですね。

さて、この「スラムドック$ミリオネア」。母親と兄とスラムで暮らす少年ジャマール(スラムの野良犬)が過酷な人生を生き、成長し、運命を自分の手でつかむ物語です。こう書くと簡単ですが、この過酷な人生とは、わたしたち日本人には想像もできないほど、過酷です。ゴミだめの中からのゴミ拾いはもちろん、宗教間の争い、暴力、人権侵害など本当に今でもインドはこうなのか?と疑うほどの状況です。ジャマールに比べたら、わたくしなんてまだまだ軟弱だなーとつくづく思います。
このジャマール君は、どんな残酷な状況になろうと、純粋に人を信じることを忘れない綺麗なハートを持った男の子です。そして自分の置かれた状況を愚痴ったり、人のせいにしない、心の強い男の子です。
そんなジャマールがある理由からミリオネアに出演し、偏見や差別を受けながらも勝ち上がっていく。なぜ、無学の彼が答えられたのか?それは、彼が生きてきた過酷な人生が答えてくれます。
目を塞ぎたくなるようなシーンがあるかと思います。けれど、心の美しさ、情熱、愛さえあれば人生は開けていくのだと、この映画は教えてくれます。そういう意味でこれは、ピュアなラヴ・ストーリーです。
人を愛することの素晴らしさ、インドの子供たちの可愛らしさ、そしてタージ・マハールの美しさも必見です。是非、たくさんの人に観てほしい作品です!

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レッドクリフ Part2

レッドクリフ Part2」を観てまいりました。Part1を観て以来、早く観たかったのですが、意外に早く感じました。よかったです☆

さて、Part1は赤壁の戦いの目前で終了しました。
その後曹操軍と呉と蜀の連合軍は、決戦前様々な策略を互いにしかけます。
このジョン・ウー版レッドクリフは史実とフィクションを散りばめて描かれていますが、時々出てくる史実を見つけるのもまた楽しみの一つだと思います。
そのひとつに曹操軍は慣れない土地で疫病が蔓延し、その屍を対岸の連合軍側へと送ります。対岸にも疫病を流行らせようとした曹操の卑劣なやり方です。
この時、金城武さん扮する諸葛孔明は、これらが疫病で死んだ者たちだと察し、皆に触れないように指示をした後に手厚く葬ります。その際に死者を弔う気球のような燈篭を空に高く上げますが、この気球は、孔明が発明したものだとも言われています。
このシーンは曹操の手段を選ばない残忍さと仁智信義忠愛を尊ぶ連合軍との対比をとても印象的に美しく描いています。
さらに、十万本の矢を集めるシーンも三国志好きにはたまらないシーンでもあり、とてもユーモラスに描かれています。
また、孫権の妹である尚香はスパイとして曹操軍に忍び込み、敵陣営の情報を得て戻りますが、その際敵軍との中に友情または愛情が芽生えます。それはラストに深い感動を与えてくれる伏線にもなるのですが、エンターテイメントとしての映画にも欠かせないエピソードとして活きています。またこれは、ジョン・ウー監督が伝える反戦の意味もあるのだと思います。

「三国志」を既に知っている方にとっては、物語の成り行きはもちろんわかってしまっているのですが、それにしても、この物語に出てくる男性陣が男らしくて素敵です。
この「レッドクリフ」の主役ともいえる文武両道の周瑜役のトニー・レオンさんのかっこよさはもちろん、それぞれが信念を貫き、友を信じ、忠義に厚い男の中の男といった感じで、惚れます♪
この「レッド・クリフ」は当初キャスティングでもめた、という話を聞きますが、わたくしは
周瑜役はこのトニー・レオンさんで正解だったと思います。文武に長け、また音楽を愛し教養もあり、絶世の美女といわれた小喬という妻をこよなく愛すその懐の深さ。トニー・レオンさんのその静かでセクシーな表情に十分に表れていました。この二人の夫婦としてのあり方もまた素敵です。夫を尊敬し、深い愛情を持って慈しむ妻と、その儚げで可愛らしく愛情深い妻を守る強い夫。理想の形ですが、とても素敵でした。
さて、この小喬、Part2では重要な役どころです。自分目当てに始まった戦争だと知った彼女は一人、曹操軍に出向いていきます。自国の民が殺されていくのを黙ってみている訳にはいかない、と。もちろん、最愛の夫を守りたい、という思いが根底にはある訳ですが。この女優さんの美しさもさることながら、その勇気もこの映画の見所のひとつです。映画の最中、わたくしならどうするかな?と考えながらわたくしは観ておりました。
たぶん、わたくしも同じことをするでしょう。おそらく、女性ならば皆、同じだと思います。
また、諸葛孔明役も新しい孔明像として、若く、聡明でユーモアに溢れる美しい孔明として、面白かったと思います。
わたくし個人的には、孫権役のチャン・チェンさん、ファンになりました。かっこいいです。。

さて、物語は戦の話ですので、Part2はほとんどが戦いのシーンです。ただ、このジョン・ウー版「レッドクリフ」はわたくしはジョン・ウー監督の品位が現れている映画だと思いました。なぜならば、もっと残酷に描こうと思えば描けるのに、戦いを描きながらも節度があり、全編に流れるのは友情や愛情なのです。
決戦前、ピリピリとしたムードの中、味方同士の信頼が揺らぎ、不安や疑心暗鬼に誰もが襲われます。追い詰められた時、人の感情に残るのは何なのか?最後に大事にするべきものは何なのか?
それをこの映画は描いています。
また、なぜ、今三国志なのか。なぜ、ジョン・ウー監督は今この時代にこの映画を撮ろうと思ったのか。それはこの映画を観れば、わかります。きっと、今この時代だからこそなのですね。本編前に日本のファンに向けてメッセージがあります。
その言葉にジョン・ウー監督の思いが込められていました。わたくしはジョン・ウー監督、ますます好きになりましたよ。

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ベンジャミン・バトン

映画「ベンジャミン・バトン」を観てきました。

まず、最初に一言言わせてほしい。「ブラッド・ピットってなんて素敵なのぉ~!!」
みんなもちろん知っている、と今頷いていると思うけど、やっぱり素敵なんです。何度観ても。惚れ惚れするほどイイ男、とはこういうことを言うのだろう、と思う。
彼がこの映画の中でバイクに乗って登場するシーンがあるんだけど、美しいのよね、全てが!オーラが輝いている?う~ん、ほんとにイイ男である。
が、もちろん彼の魅力は外見だけではない。その役の幅の広さは世界一?と思われるほど。本人が気に入っている、と言われる「トゥルー・ロマンス」のクレイジーなちょい役やプロデュースをした「ディパーテッド」はわたくしのお気に入りの作品でもあり、多才ぶりを発揮しています。

さて、そんなブラッド・ピットがまたもやデビッド・フィンチャー監督作品にケイト・ブランシェットと共に出演しています。ケイトさんとは「バベル」でも夫婦役でしたね。
デビット・フィンチャー監督だから受けた、ということもあるだろうけど、物語を見終えて、ブラッド・ピットが選んだ理由がわかる映画だな、とわたくしは思いました。
「人生は何が起きるかわからない」、「他人がどう思おうと自分の道をいけ」、前向きなメッセージ溢れる心温まる愛の物語です。

1918年、ニューオリンズ。80歳の老人のような姿で生まれた赤ん坊が老人ホームの軒先に捨てられています。心優しいアフリカ系の女性に拾われ、ベンジャミンと名付けられました。そのベンジャミンは年を追うごとに外見が若返る、という残酷な運命を生きなければなりません。外見の奇妙さを好奇の目で見られ、愛する人々の人生と逆行する人生を歩み、多くの別れを経験しなければなりません。
彼が恵まれていた、とすればその勇敢で好奇心溢れる心を持っていたことと、彼を特別扱いしない「家族」や友人たちとの出会いに恵まれていたことでした。
彼らとの出会いを通し、老人の姿で少年の心を持った青年は、大人になり、恋をし、別れを経験し、戦争を知り、大切な人々と永遠の別れを経験し、そして唯一の愛を知っていきます。

物語は病院で死の床につく老女、デイジーの娘がベンジャミンの日記を読む、という形で進む「君に読む物語」方式?です。
ベンジャミンにとってもデイジーにとっても、運命の出会いであった相手。
互いに別々の人生を、一人は若返り、一人は老いてゆきながら、惹かれあい、すれ違い、例え遠く離れて生き、別の人と恋に落ちようと、共に愛し続け、ひと時も忘れたことのない相手。その二人の愛が物語のメインとなっています。
会っていなくても、隣に誰が寝ていようと「おやすみベンジャミン」「おやすみデイジー」と呟く気持ち、何だか頷いてしまいす。
永遠にすれ違う運命にある人を人は愛することができるのか。小学生とおばあちゃんになった二人に変わらぬ愛は存在するのか。愛する人と共に年を重ね、普通に愛することができない苦悩。そこにこの物語のテーマがあります。
ベンジャミンの行動は正しく、そしてデイジーの選択もまた正しかった。わたくしはそう思います。共に過ごすことだけが愛ではなく、色んな愛の形があります。相手を思いやるからこその愛。でも、最終的には愛は止められないのですね。

映画の中のセリフにあるように、人と違う生き方をしなければいけないベンジャミンだけでなく、すべての人は孤独に生まれ、孤独に生き、孤独に死んでいきます。
永遠など存在しないベンジャミンのように、人は一瞬一瞬を生き、違う価値観を知り、今まで感じたことのない気持ちを知り、人生の美しさを味わうべきなのです。
そして、周囲の人への限りない優しさと敬意と、できればたった一人愛する人を伴って生きていきたいものです。

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レボリューショナリーロード

映画「レボリューショナリーロード」を観ました。
あの「タイタニック」コンビ、レオナルド・ディカプリオ、ケイト・ウィンスレット二人の出演作です。

話はズレますが、わたくしは「タイタニック」を3回ぐらい観てるでしょうか。。。最初は映画館、その後はTVで観たり、録画だったり。でも、毎回同じ場面で泣くんですね。不思議なことに。ジャックが死の間際ローズに「君はこんなところで死ぬ人じゃない。暖かいベッドで、幸せな人生を過ごすんだ。だから、君は生きるんだ!」とかなんとか言うシーンです。
一番最初の映画館では、あまりのわたしの号泣ぶりに隣にいた友人が途中で「大丈夫?」と半ば呆れて聞いてきたほどです。こう書いている今も、目頭が…。どうもあのシーンは弱いんですね。

と、今回も泣ける映画なのかしら?と何のチェックもしないままこの「レボリューショナリーロード」を観てきました。
はっきり言ってしまうと、好き嫌いが分かれる映画だと思います。
内容も重いし、決して気持ちの良い映画ではありません。けれど、何かしらの問いかけを残す物語だし、たぶん、映画が好きで観にいくようなタイプの人には、胸に響く人間ドラマだと思います。

1950年代のアメリカ。レボリューショナリーと呼ばれる通りに引っ越してきた美男美女のフランクとエイプリル。二人の子供もいて、傍目には幸せそうな普通のカップルです。
陸軍時代パリにいたことがあるフランクは、今はNYCで普通のサラリーマンをし、「こうはなりたくない」と思っていた父親そっくりの平凡な生活をしている。
軍にいた頃の方が生きていることを実感できた、と思っている。
女優になる夢があり自分を特別な人間だ、と思ってきたエイプリルは、自分が取立てて特別ではないことと、平凡な主婦として過ごさなければいけない現実を受け入れられずに、苛立ちを隠せない毎日。
浮気をしたり、同僚と楽しんだりして、どうにか現実と折り合いをつけているフランクにエイプリルはパリへの移住を提案します。
ここではないどこかへ行って、もう一度生きる情熱を取り戻そう、と。
フランクをなんとか説得し、準備を進めるものの、ある日エイプリルは3人目を妊娠していることに気づきます。子供が生まれる以上無茶はできないと言うフランクと、それでも行きたい、というエイプリル。「大丈夫、この国で幸せになれるよ」と訴えるフランクの声はエイプリルの心に届くのでしょうか。

年を重ねて、誰もが人生に、自分自身に失望し、生きる情熱を失っていきます。
自分に正直に生きようとするフランクとエイプリルの生き方は、非現実的で無謀だと周囲の人は思っています。この二人と対照的に、隣に住む若い夫妻は、本心を隠し、お互いにうまくやっていこう、ということだけを考えている平均的なカップル、として描かれています。
唯一彼らに賛成するのは、精神病の男性だけ。精神を病むほど真面目で純粋な彼の目には、この世界は偽善者で溢れ、本当の意味で生きている人間などいない。
「虚しさは誰でも感じることができるけど、絶望感を味わうには勇気がいるんだ」
そう彼らを励まします。
エイプリルの心の闇を正確に理解していたのは、この精神病の彼だけでした。
人と人の間で、男女の愛は本当の意味では役に立たないのだと思います。
どんなに理解をしようとしても、人は他人の心をすべて理解することなどできず、むしろそんなことを考えることは、おこがましいことだとわたくしは思います。
ただ唯一愛する人にできることがあるとしたら、愛しつづけ、信じる、とリスクは承知の上で決めること以外にないのだとわたくしは思っています。

理想と現実。少なからず誰もがぶち当たる壁です。
理想主義に生きることも破滅的に生きるのも、「大人にならなきゃな」と分かったような顔をして生きるのも、その人の自由だとわたくしも思います。けれど、何の努力もせずにただただ日々を過ごし、情熱を失っていくことだけは、ごめんだと思います。
一応大人と言われる年齢?のわたくしにしてみたら、必要以上に人に迷惑を掛けない程度にあがいてみる、ということでしょうか。

ラストシーン。人の噂好きな不動産屋の女性がフランクとエイプリルの悪口を言い続けている横で夫が補聴器のボリュームを下げていきます。良いシーンです。
この映画に救いはありません。けれど、救いのないこともまた、人生の側面のひとつだとわたくしは思います。

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「おくりびと」そして日本映画

こんにちは。

映画「おくりびと」がアカデミー賞ノミネートされたそうですね。巷でとても評価の高い作品です。
近頃日本映画界が元気です。若者に人気の小説の映画化だったり、才能のある若い世代が台頭して、映画界が活気づいてきたのかもしれません。
三谷作品やジブリ作品以外では、「オールウェイズ三丁目の夕日」が最近では印象に残っています。日本人の郷愁をそそる、人情あふれる昭和のドラマです。涙腺の弱まる30代以降の皆さんはきっと笑い、そして泣いてご満足いただける作品だと思います。

さて、この「おくりびと」。わたくしも遅ればせながら、年末に飛行機の中で観ました。
主演の本木さんが長年温めてきた題材だそうです。
東京でチェリストとして働いていた大悟は突然のリストラに遭い、妻とともに田舎に帰ることになります。
そこで旅行代理店だと思って受けた面接で見事採用され、納棺師として働くことになります。
戸惑いながらも、高給であること、そして社長(山崎努)の強引さに押され、悩みながらも辞めることができません。
しかし続けるうち、大悟は納棺師という職業の素晴らしさ、どんな人も、どんな人生だったとしても、懸命に生きてきた人を最後まで敬い、温かく見送る職業であること。そして「死」と接することで大悟自身が「生」を知っていくことになります。
この物語では、誰かが地球を救う訳でも、大恋愛で涙する訳でもありません。描くのは今現在の日本の日常です。淡々と描かれる毎日で、大悟が納棺師という職業に魅せられていきます。チェリストになるという夢と引き換えに惨めだ、と思えた現実を受け入れ、「生きる」とは何か?を知り、愛されることを知り、愛することを知っていきます。田舎での「納棺師」という職業への偏見、妻からの嫌悪、葬式に集まる人々の生々しいケンカ、自分を捨てた父の死…等のエピソードを通し、大悟自身が成長していくのです。
そして、大悟が影響を受ける社長役の山崎努さんは適役でした。死を扱う仕事に対し嫌悪感を持ち、夕飯用に解体された鶏を食べられなかった大悟ですが、何も気にせずどんな時もモリモリ食べる生命力溢れる社長を通して、生きるとは何か?死とは何か?を学んでいきます。
脚本も良く練られ、日本のオリジナリティ溢れる秀作だと思います。
ひとつ残念だったとすれば、最後のお父さんが亡くなるシーンで、父からの愛を大悟が知る「方法」が事前に想像がついてしまったこと。あの小道具のアイデアが素晴らしいだけにもうひとつ練って、違う方法で愛を示せなかったものか、とわたくしは思ってしまいました。すみません、本当に…。日本映画には厳しくなってしまうのかもしれません。
が、たぶん、観ている間中、止めどなく涙が流れることと思います。主演の本木さん、そして山崎努さん、吉行和子さん、余貴美子さんと素晴らしい俳優陣です。

この「おくりびと」を観終わった後、久しぶりに日本映画らしい映画を観たな、とわたくしは思いました。
わたくしが大好きな小津作品を思い出したのです。小津作品の中でもわたくしは小津さんが戦争から戻られた後の作品が好きです。あの名作といわれる「晩春」、「東京物語」、「秋刀魚の味」等、どれも素晴らしい。
これらの作品も、これと言って大事件が起こる訳ではありません。けれど、親子または義理の親子であっても、人と人が思いやり、ほのかな愛を持って淡々とした日常を過ごす様を独特の手法で描いています。心の中の琴線を静かに穏やかに、けれどしっかりと意思を持って触ってきます。
小津作品が世界で評価されるように、例えその描く世界が日本固有の世界観だとしても、そこに流れる愛情や生きていくことの哀しさはどんな人にも伝わるのだと思います。

映画や音楽は人の心にダイレクトに伝わり、心を動かすことができるものです。日本からもそんなプラスな感情を発信していけたら良いですね。


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マンマ・ミーア

一足早く映画「マンマ・ミーア」を観ました。
言わずと知れた大ヒットミュージカルの映画化です。
わたくしは2004年にNYのブロードウェイでこの作品を初めて観ました。以前にも書いたかも知れませんが、ABBA大好きなんですね。特に「ダンシングクウィーン」heart
ABBAの曲に合わせて、ストーリーはユーモラスに楽しく進んでいきます。題材としては重たいかもしれない内容をハートフルに明るく描いています。観終わった後元気になること間違いなし!の作品です。
ただ、ミュージカルがどうも苦手、という人は多いと思います。わたくしの周りにもいます。「なぜ突然歌い出すのか理解できない」って人…。舞台で観た時にはそれほど感じませんでしたが、この映画版「マンマ・ミーア」はほんの少しだけ唐突感があるかもしれません。そんなあなたには、同じようにミュージカルから映画になった「ヘア・スプレー」や「シカゴ」から始めてみたらいかかがでしょうか?特に「ヘア・スプレー」なんて歌とお芝居の絡み具合が絶妙です。とっても素敵な作品です。

さて、舞台はギリシアの小島。結婚式を控えた主人公ソフィが3人の男性に手紙を送るシーンから物語は始まります。
それはママ(メリル・ストリープ)に内緒で計画した、バージンロードをパパと歩きたい、と願うささやかな望みから始まった大事件でした。ある日ママの日記を勝手に読んだソフィは、自分の父親候補が3人もいることを知ります。そして、その3人全員を結婚式に招待してしまったことから、ママやフィアンセとの衝突が生まれます。
女手ひとつで娘を立派に育て、民宿を経営し、一生懸命生きてきたママを演じるメリル・ストリープの演技はまたもや圧巻です。女として生きる道を封印し、肩肘を張りながらも垣間見えるチャーミングさ、娘を想う母としての愛情の深さ。どれも、さすがメリル・ストリープ!と言った感じです。そして、驚くのは、その歌の上手さ!本当に上手ですよ。そしてそして、踊る、踊る。ミュージカル映画だから当然ですが、頑張ってます!舞台の時には、完全に主人公はソフィだと感じましたが、今回この映画では、このママの視点からの感情に、よりフォーカスされているように感じました。わたくしの気のせいでしょうか?
ママが本当に愛していたのは一体誰でしょうか?愛とは?変わらぬ愛は存在するのでしょうか?そして、本物のパパは誰?という疑問は、きっと最後には観た人の心の中で答えが出ると思います。
明るく強くユーモラスに生きるパワー溢れる作品です。そして、ギリシアの自然の美しさと言ったら!ギリシアに行きたくなってしまいますよ。
あ、そうそう、最後のエンディングロールの映像もかなり面白いので、最後まで席を立たずに観て下さいね。
1月30日から全国ロードショーだそうです。是非ご覧あれ!

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Before Sunset,again

わたくしの大好きな映画「Before Sunrise/Sunset」については、以前書いた通りですが、今回このSunsetに出てくる場所に行くことができました!

まずは、冒頭ジェシーが小説のプロモーションも兼ねてサイン会を開く本屋さん。二人が再会をする重要なシーンでもあります。
この再会シーンのジュリー・デルビーの少しはにかんだ様な、けれど嬉しさが内面から溢れ出るような演技はすばらしい。動揺しつつポーカーフェイスを決め込むジェシーとは対照的です。

さて、この「Shakespeare and Company」は実在する英書専門の本屋さんです。Photo
シテ島、ノートルダムからすぐのカルチェラタンにあります。わたくしもこの辺は何度も通っていたものの見逃していました。今回も探していたのですが、なかなか気づきませんでした。ちょっと小さいのです。
が、目の前を通ると気づくと思います。お店の前には古い英書が山積みされていて、若い学生らしき少年たちが集まっています。そして聞こえてくるのは英語。あれ?ここはロンドン?と思うほどです。
006 店内は所狭しと本があって、テーマ毎にまとめられています。詩の棚もあったのですが、古いものから新しいものまでとても良い詩がたくさんありました。気がつけば、1時間以上立ち読みしていたわたくしです。

そして、最大の難関「Le Pure Cafe」。
14 Rue Jean Mace
9号線のCharonneが一番近いメトロです。
映画では、二人がお茶をするシーンです。012_2
ただただ話し続ける二人ですが、会わなかった9年間のお互いの出来事を面白おかしく話すシーンで使われました。「アメリカにもこんなカフェがあるといいけど」というジェシーに「少しはあるけどね」と答えたセリーヌの言葉から、彼女がアメリカに住んでいた、しかも同じNYに、ということが発覚する巧妙なセリフが生まれます。
同じNYで同じ時にそこにいた、けれど、会えないのですね。縁とは本当に不思議なものです。

今回のParis滞在時には何度も思い出したこの「Before Sunset」。
他人と深く知り合うこと。完全にはできないからこそ、そうしたい、と願う気持ちが重要なのかもしれません。
わたくしもそんな関係が築けたらいいな、と思います。

最後にこのCafeを探すのを手伝ってくれたSさん!極寒の中、本当にありがとうございました!
彼の協力とフランス語力がなければ、わたくし一人では絶対に行けませんでした。
スタッフの方も親切でお料理も美味しかったですよ。次回また、行きたいと思います。

どうですか?この映画見たくなったでしょ?

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Before Sunset

これが今年最後のブログになるかと思います。
皆さん、来年もどうぞよろしく。素敵なクリスマス&新年をお迎えください。

さて、一週間ほど前の真夜中に映画「Before Sunset」をやっていました。この映画については以前にもちょこっと書きましたが、イーサン・ホーク(くどいですが、わたくしの大好きな)とジュリー・デルビー主演の「恋人までの距離」の続編です。
このタイミングでこれをやるなんて!と感動し、思わず録画をしてしまいました。
なぜなら、わたくしは少し早めの冬休みが取れ、こんなにギリギリだったにも関わらず、Paris行きのチケットも取れ、数日後にParisに旅立つことになったのです。今ここで大好きな映画が観れるなんて、Paris行きがますます楽しみになりました。

人の記憶はあいまいなものです。この映画を観たのは、4年ほど前になるのかしら?Photo
恵比寿ガーデンシネマからの帰り道を一人感動に震えながら、また、感傷に浸りながら帰ったことはよく覚えていました。ラストのセリーヌの家でのシーンは、とても印象に残っていたのですが、わたくしの中では、二人でダンスをした、と記憶してました。実際踊ってたのは、セーリーヌだけだけど、やっぱりわたくしはこのラストシーンが大好きです。
「ベイビー、飛行機に乗り遅れるわよ」「わかってる」ニーナ・シモンの曲が流れる中映画は終わります。この後二人はどうなったんだろう?と余韻を残しながら。
冒頭でのジェシーの言葉にもあるように、見る側がロマンチストであるかシニカルであるかで物語の見え方はずいぶんと違ってきます。
わたくしは愛を信じているので…。いつか、またこの続編をやってほしいな。

ジェシーとセリーヌは、半年後にまた駅で会おう、と約束をして映画「恋人までの距離」は終わります。その9年後、作家になったジェシーは本のプロモーションでパリにやってきて、セリーヌと再会をします。
「恋人までの距離」と同じように二人のとりとめない、お互いを知るためだけの、距離を埋めるための、会話だけで物語は進んでいきます。
本屋、カフェ、公園、船、アパートと場所を移動しながら、ほぼずーっと二人は話続けています。一見、とりとめのない、他人からみたらくだらないであろう話を。
ジェシーは言います。「この本を書いたのは君を探すためだった。サイン会に現れた君に、どこに行ってたんだ?と聞くためさ」と。そのエピソードの真偽は別として、この「サンライズ/サンセット」シリーズのテーマは「本物の出会い」。
冒頭でのジェシーの言葉のように人生の最高の出来事は、人と深く知り合うこと。幸せとは、夢を叶えることで、家や家族や財産を所有することじゃない。満ち足りた生活の中で何かが欠けている、と感じる。9年前のウィーンでの二人の出会いは、あれは本物の出会いだった。それが「生きる」ということ。

9年という歳月を、分別をつけ、平凡な現実を受け入れてきた大人の二人。心の中に「何かが欠けている」と感じながら、生きることに失望している。そんな二人が唯一本物だった、と思える出会いに再会してしまった。
自分が傷つかないための防御線を張りながら、時にユーモラスに、時に本心をぶつけていく様子は、とってもリアリティがあって、心が痛む。車の中でジェシーの悲惨な結婚生活を聞いている時、思わず手を伸ばしそうになるセリーヌは躊躇ってやめる。
アパートに着いてしまった車の外で「君に触れられたら、溶けてしまいそうだ」というジェシーを「本当に溶けてしまうか確かめるの」と言って抱きしめるシーン。
何てせつなくて、幸せなシーンなんだろう。人生で唯一本物だ、と思える人と出会うなんて最高の幸福だ。

若いころ人は、出会いは無数にあると思っている。けれど、本当の出会いは、数少ない。
普通、失くしてしまってから気づくものだ。
でも、本当の出会いだったなら、一度スルーしたとしても、絶対にそこに戻ってしまうものだとわたしは思っている。一分一秒も違わずに、必ず出会う。
あなたはこの映画を観て、誰を思い出したんだろう?
たぶん、お互いが抱いてる感情なんてだいたい似たようなものだ。
必要なのは、愛を信じる心とほんのちょっとの勇気だけ。
愛を信じる人にはお勧めしたい映画です。「毎日が最後だ」「生きている限り思い出は変えられる」素敵なセリフ満載のラブ・ストーリーです。

Parisから戻ったら、この映画に登場する場所が紹介できるかもしれません。

では、皆さん2009年にお会いしましょう。

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ブーリン家の姉妹

映画「ブーリン家の姉妹」を観ました。
賢く美しく野心家の姉アンと心優しく純真な妹メアリー。
ひとりの女と結婚をするため、当時禁止されていた離婚をし、カトリックと断絶をしたイングランド国王ヘンリー8世。この物語は、その国王を誑かした女として世界中で有名なアン・ブーリンではなく、その妹メアリーにスポットを当てています。
原題「The Other Boleyn  Girl」がすべてを物語っています。

16世紀。女王キャサリンとの仲も冷め、男の子の世継ぎがほしい国王ヘンリー8世。
家の繁栄のために娘の結婚相手が決まっていた時代。野心家の父と叔父の策略により、アンを国王の妾として差し出すことが決まります。
最初国王は美しいアンに興味を持ちます。しかし、その野心的で男勝りな性格に国王のプライドは傷つけられ、心優しく信頼のおけるメアリーを妾として宮廷に招くことを決めます。
自分が選ばれなかった屈辱から、アンはメアリーを憎むようになります。仲がよかった二人の姉妹の間に徐々に溝ができ、その溝が誤解を呼び、やがて憎悪へと変わっていきます。
一方、信頼のおけない宮廷で孤独な国王ヘンリーの優しさに触れ、メアリーは心から純粋に国王を愛するようになります。ある事件をきっかけにフランスに追いやられたアンはますますメアリーへの憎悪を募らせていきます。
やがてメアリーは国王待望の男の子を宿しますが、その頃には既に国王のメアリーへの興味は薄れていました。ちょうど許されて帰国したアンは、男性を操る術を学び、淑女へと変身しています。アンは、復讐を始めます。
メアリーが心から愛していることを知りつつ、国王を焦らし、自分に夢中にさせ、そして国王はアンの意のままに操られていきます。
ついにアンは国王をメアリーからも女王キャサリンからも奪い、切望していたイングランド女王の座を手に入れます。こうしてイギリスは孤立をすることとなります。

アンは欲しくてたまらなかった地位も名誉も女王の座も手にしたものの、やがて国王の興味は薄れ、精神的に追い詰められていきます。国王のアンへの思いは、愛ではなく征服欲でした。自分の意に適わない女を自分のものにしたい、ただそれだけでした。
ラストでは、ご存知のようにアンは断頭台で処刑をされます。
自分の身の危険も顧みず、アンを助けようとした人は、唯一妹のメアリーでした。自分を憎み、裏切り、愛した人まで奪った姉を許し、愛を送り続けた女性。
わたしにはできないな、と正直思います。

それにしても、この国王の飽きっぽさ。男なんてこんなものなのでしょうか?信頼できる人などいない国王は誰も愛せない孤独な人なのかもしれません。
さて、一人生き残ったメアリーは、最後は幸せな結婚をし、末長く幸せに暮らしたそうです。ただ純粋に何の計算もなく人を愛し、自分を利用し、傷つけた家族を許した人。
「私は地位や名誉ではなく、ただ私を愛してくれる夫がほしいの」そうメアリーは言いました。
おどろおどろしい映像とイングランドの重たい空気。ズシっと重く深いものを受け止めるパワーがある時に観たい映画です。
「レッド クリフ」もそうでしたが、歴史の影に女あり、とはよく言ったものです。
たった一人の女を手にするためだけに人は歴史までを動かすのでしょうか?
うーん、女って、人って怖い。

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レッドクリフ

映画「レッドクリフ」を観てきました。
ジョン・ウー監督、三国志、トニー・レオン金城武と揃えば、わたくしはそれだけで十分でした。観る価値がある、と。金城さんも好きですが、トニー・レオンさん、好きなんですね。特に美形ではないけれど、なんとも言えず、セクシー。静寂が似合う大人の男の魅力を感じます。今年ご結婚されたそうです。ざんねんです。
さて、ジョン・ウー監督といえば、「男たちの挽歌」シリーズではないでしょうか?
わたくしはこの映画に学生時代ハマりました。香港版極道ものなのですが、まるで中国の歌のように物悲しい哀愁たっぷりのストーリーなのです。そして、最近ではハリウッドにも進出され、M:I2なんかも作られてますね。香港時代の映画は、良い意味でも中国映画らしく大味でしたが、ハリウッドに行かれてストーリーも洗練された気がします。
特に「フェイス/オフ」はとても面白かったです。オススメです。

そんなジョン・ウー監督の超大作の「レッドクリフPart1」。実はわたくし他の映画を観るつもりで映画館に出掛け、時間が合わずにこの映画に急遽変更したんです。三国志だし、トニー・レオンだし、金城武だしってことで。見始めてからレッドクリフがあの有名な赤壁の戦いであることに気づきました…。あ、レッドクリフね、と。
西暦208年。時は後漢が衰退し、魏・呉・蜀の三国時代。若い漢の皇帝を操り、冷徹で手段を選ばない魏の曹操が天下統一を狙い、呉・蜀を狙っています。
呉は若き君主の孫権と仁徳のある知将周瑜(トニー・レオン)が治めています。
そして三国志の主人公である劉備を慕う趙雲、張飛、関羽の蜀の三武将とかの有名な諸葛孔明(金城武)。80万の兵力の魏に対し孔明の策により呉・蜀の連合軍5万人が挑みます。
この「レッドクリフ」では、人望厚い劉備とその家臣たちとの信頼、周瑜と孔明との友情、そして周瑜とその妻、絶世の美女と言われた小喬との愛がテーマとなって、三国志最大の戦いと言われる赤壁の戦いを描いています。
Part1はその赤壁の戦いが始まるまでのイントロダクション。それぞれのキャラクターの紹介・特徴説明、赤壁の戦いがなぜ起こるのかを説明しています。三国志を知らない日本人にも判るように日本版には、最初に簡単な説明がありました。
正直なところ、少し長く感じたのですが、見所満載の三国志をここだけに絞り込むのには大変な苦労があったかと思います。作り手としては、あれも入れたい、これも入れたい、と思ったはずです。
戦場シーンはさすがジョン・ウー監督らしく激しくダイナミック。八卦の陣の映像化などとても興味深くて、ユーモラスでもあります。
そして、この映画はセリフが少ないのです。映像で判らせようとする意思を感じました。特にファーストシーンはどの位かは計っていませんが、しばらくセリフはありません。漢の幼い皇帝が玉座に座り、たいくつそうに鳥と遊んだりしている。そこへ曹操が入ってくる。曹操が入ってくるだけで周囲の空気が緊張していくのがわかる。皇帝の表情の変化ひとつで今この国の置かれている状況までもがわかってしまう。上手い演出だな、と感心しました。
インタビューでジョン・ウー監督が言っていたように人間の感情はアジア人だろうが西欧人だろうが変わらない。この映画は単にアジア映画という括りで作ったものではなく、アジアを舞台とした世界映画だ。そんな意図も感じました。

物語は男女の愛も描いています。野心に燃える曹操が心から欲しいもの。それは、周瑜の最愛の妻である小喬。遠い昔に会った小喬に曹操は恋焦がれています。赤壁の戦いはたった一人の女を手にするためだけに始まった…。
人間のすることなんて意外とこんなささいなことがきっかけかもしれません。
三国志好き、歴史好きにはたまらない映画です。できれば一本にまとめて全部一気に見たかったけれど、あと半年待つことにしましょう。
その間にもう一度三国志を読んでおくことにします。

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SEX AND THE CITY

映画「SEX AND THE CITY」を観ました。いやー、泣いたぁ~、笑ったぁ~、ハァーすっきり。といった感じで映画館を後にしました。
TVドラマを観ていた人も多いことでしょう。わたくしは残念ながら観ていません。でも、映画だけでも十分楽しめると思います。ガールズトーク満載の女の子なら間違いなく楽しめるお話です。

個性もキャリアもまったく違う4人。作家である主人公キャシーは40歳になり、相変わらず恋人のビッグと着かず離れずの仲。不妊症で悩んでいたシャーロットは中国からの養女を迎え、幸せな毎日。SEX大好きのサマンサは年下の恋人とのLA住まいに疑問を持ち始めている。弁護士のミランダは、子供の世話と親の介護で余裕を失っている毎日。恵まれた環境、キャリアでそれぞれの幸せを見つけたはずの4人は、それでもその笑顔の下で毎日奮闘している。ただひとつ信じられるものは、友情。そして探し続けているのは、LOVE。All about LOVE。超ゴージャスな状況はドラマならではって感じだけど、恋に仕事に生活に傷つき、それでも前向きに明るくタフに生きる姿は女の子は共感しないではいられないストーリーだと思う。

付き合って10年になるキャシーとビッグはついに結婚を決める。しかも、かなりあっさりと。結婚の準備を進めていくうちに話はどんどん大きく、式はますますゴージャスになっていく。そんな結婚にビッグは戸惑い始めていた。二人の結婚式なのに…。
そして、結婚式に現れないビッグ。やっとつながった電話で彼は「できない…」と言い出す。キャシーの不安は的中。絶望感に襲われ逃げるように式場を出ていくキャシー。二人の長年の信頼は砕け散り、お互いがお互いを失ってしまいます。ドラマを観ていないわたしでも彼女がどんなに待ち望んだ結婚だったか、どんな思いで迎えた結婚だったか、がちゃんと描かれていて、とても胸を打ったシーンでした。

けれど、キャシーにはかけがえのない友情があります。笑うことすらできない彼女に3人の親友たちは寄り添い、ハネムーンで行くはずだったメキシコに4人で出掛けます。母親のように世話をして、ただそばにいてくれる。生きる気力を失くしてしまった時、そんなさりげないやさしさが胸に沁みます。どんな時でも何をおいても駆けつけてくれる親友たち。現実的にはなかなか難しいけど、いつまでも変わらない友情って素敵です。
そしてこの4人が更に素敵なのは、いくつになっても、母になっても、20代の頃と変わらないパワフルな気持ちを持ち続けていること。変わらないでいつづけることは思っているより難しい。けれど、「らしさ」を失わずに生きてる人は、いくつになってもほんとにチャーミングだな、と思います。

その後物語りは展開していきます。それぞれが問題を抱え、それを自らの力で解決していきます。キャシーも長い時間を掛け、やっと自分を取り戻し始めていました。
長い空白の時間を経て二人は再会します。彼女を傷つけたことを後悔しつつ、けれど言葉が見つからなかったビッグ。彼からの連絡を無視しつづけたキャシー。二人にはまだ愛が残っているのか?二人の愛は永遠に変わらない本物の愛だったのか?
答えはYESです。頭ではなく、心に従った結果。
ラストシーンで二人が結婚式を挙げた場所は、役所でした。ゴージャスなドレスも招待客もないジミ婚。それが二人の愛に対する答えでした。

昔から思い描く結婚に対する夢。それは、二人だけで結婚式を挙げること。それ以外に何が必要だろう?きっと何もいらない。
Just You and Me.

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NYが舞台の映画たち

041102_0209001_2 久しぶりにアメリカに行きたいなーと思う今日この頃。
思いはアメリカに馳せております。
何度も行ったアメリカ。良いところも悪いところも含めて、大好きです。
わたくしが一番好きな街は、NY。
あの緊張感漂う雰囲気。騒々しさと派手さとは対照的に一歩生活圏に足を進めれば、荒んだ退廃的な香りがします。タフでなければ生きていけない街。
最後にNYに立ち寄ったのは、04年のちょうどハロウィンの時期でした。そして大統領選真っ只中。
NYCでのハロウィンパレードは当時「もういいよ!ブッシュ!」というメッセージ付の仮装とスパイダーマンが大人気でした。
今年のパレードもさぞや面白いことだろう、と思います。
ひとごとながら、今回の大統領選は、感慨深く見ています。
様々な問題を抱えるアメリカで白人以外の大統領が誕生するかもしれない、なんて。画期的ですね。大好きなミュージカル「ヘアスプレイ」を思い出しました。これは恋愛だけでなく、すべての差別から開放されて前向きに生きるエネルギーを感じる楽しい作品です。

さて、今日はNYを舞台にした映画のご紹介です。
まずは、王道の「恋に落ちて」。名優ロバート・デ・ニーロとメリル・ストリープ主演。わたくしはやはり本屋さんで二人が出会うシーンが好きです。互いに思いやり、相手を尊重するがゆえの苦しさ。人生の荷物を抱えてきてしまった大人の恋愛です。わたくしが好きな場所でもあるグランド・セントラル駅も登場します。NYに行かれたら、見にいかれるといいと思います。オイスターバーも良いし、ショッピングもできますが、二階から行き交う人々をただ眺めているだけでも時間を忘れます。

次に「コヨーテ・アグリー」NYに実在するバー「コヨーテ・アグリー」を舞台とした映画です。夢を追い、ニュージャージーから出てきた女の子が挫折や様々な困難を経験しながらもタフに生き抜いていく物語。わたくしが大好きな歌とダンスありの楽しい映画です。お金はないけど、夢だけがある。頑張ってさえいれば、たくさんの愛が周りに落ちています。
そして上手い!と思わずうなってしまった作品「マンハッタン・ラプソディー」。
バーバラ・ストライザント主演。ロマンスの経験なしで中年を迎えてしまった女とセックス&美人恐怖症の男が本当の愛を知っていくまでの物語。とにかく脚本が上手い。緻密に計算されていて、見せ方が上手い。わたくしは二人がレストランで食事をするシーンが好きです。確か食べ方に独特のクセがある。けれどそれさえ好きなんだ、というシーン。頑なに長年生きてきてしまった者同士の固い心の氷が溶けてゆくようなラブ・ストーリーです。

そして、最後に最近みたニコラス・ケイジ主演「天使のくれた時間」。たまたまTVで見ました。予想以上に良くて、みてよかったなーと思いました。
すべてを手に入れた、人生で欠けているものは何もない、と思っている男に天使がギフトをくれます。たったひとつなかったもの。ある朝目覚めると隣には大学時代に捨てた恋人と自分たちの子供がいます。冷徹に生きてきた自分に欠けていたものー愛のある夢のような暮らし。そしてその生活に慣れ、心から幸せを感じ始めた時、夢が覚め元の生活に戻ってしまいます。そして失くしたものの大きさに気づき、元彼女に会いにいきます。
わたくしはこの空港でのラストシーンで思わず泣いてしまいました。夢が叶い、フランスへ旅立とうという間際に別れて長年経った元彼が突然やり直したい、と言い出してきた。不思議に思いながらも「昔のことを謝りたいのなら、もういいの。もう許してる」という彼女。それでも何度も食い下がる彼。僕たちには子供がいて、本当に幸せなんだ。僕たちならそれができるんだ、と伝える彼。飛行機に乗らなくちゃという彼女に「お願いだ。たった一杯でいいんだ。コーヒーでも飲まないか?」と言って物語りは終わります。エンディングロールでは楽しそうにコーヒーを飲む二人の映像が映っています。離れていた何年もを一瞬にして埋めるセリフ。しかも舞台は二人が物語の最初で別れた場所、空港です。よくできている物語です。

他にもNYを舞台にした映画は多いですね。「スパーダーマン」も好きだし、「タクシードライバー」、「スモーク」も好きです。
スパイダーマンがロープウェイに吊り下げられたヒロインを助けるシーン覚えていますか?あのロープーウェイはちゃんとあって、わたくしは以前ルーズベルト島に住む友人宅に居候していた際によく乗りました。映画であのシーンを見たときの感動は忘れられません。
こんな風にNYは映画が似合う街です。秋のNYは本当に美しい。真黄色に染まるセントラル・パークは本当に映画の中の美しさそのままです。
あぁ~、行きたい。

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ザ・マジックアワー

見逃してしまっていた映画「ザ・マジックアワー」を観ました。言わずと知れた三谷幸喜作品です。三谷作品のファンは多いですね。わたくしも大好きです。独創的な世界観。あくまでも喜劇。三谷さんのエッセイ等も読みますが、あの方自身が独特です。本も映画もドラマも大爆笑というより、思わずクックックッと笑ってしまう感じでしょうか。
もうだいぶ古いですが、「やっぱり猫が好き」は最高でした。それにしても、三谷さん、今回の映画の宣伝でTV出まくってましたね。とっても挙動不審で恥ずかしがり屋っぽいのに出たがりなんでしょうか…。

マジックアワーとは、太陽が沈んだ直後、光が完全になくなるまでの時間。世界がもっとも美しく見える瞬間を指す映画用語だそうです。
この映画は、そんなマジックアワーを待ち続ける人々の物語です。
ボス(西田敏行)の女マリ(深津絵里)と寝てしまった備後(妻夫木聡)は、伝説の殺し屋デラ富樫を連れてくることを条件に命を救われます。期日が迫っても一向にデラ富樫を見つけられない備後は、売れない三流役者村田(佐藤浩市)を映画の撮影だと騙し、デラ富樫に仕立てます。備後の想像を超え、予想外に好演する村田。さて、備後と村田はボスを騙し続けられるでしょうか。誤解が誤解を呼び、物語はあらぬ方向へと進んでいきます。

この「ザ・マジックアワー」も三谷ワールド炸裂ですが、今回は少し哀愁を帯びています。前回の「THE 有頂天ホテル」は、はちゃめちゃで大いに笑えます。余談ですが、わたくしはこの映画をとある地方の小さな映画館で平日の真昼間にたった一人で観ました…。入るときにおばちゃんが「一人かもしれないけど、いい?」と聞くので、「まさかそんなことはないだろう」と「全然いいですよ」と言って入りました。予告が始まっても人っ子一人現れず、さすがに映画好きな私も一人には広すぎる劇場で一人でいるのは落ち着かず、バシっバシっと後ろの方で音がする度に振り返り、恐怖に震える貴重な経験をしました。が、物語が進むうち、一人で大笑いし、グイグイ引き込まれていきました。見終わった後はスカっと爽快な気分になり、「人生はなんでもありなんだな~」と、とても前向きな気分になって帰ったことを覚えています。
それに比べ今回は、人生に、すべてに行き詰ってしまっている人々の哀しさに、より光が当たっていた気がします。笑って、ホロっと泣ける感じです。
特に村田を演じた佐藤浩市さんの三流役者ぶりはすごい。売れなくて売れなくて、騙されてやった「デラ富樫」で人生最高の演技をする。自分の演技に満足して涙を流すシーンは、三谷さんてこんなシーンも書けるんだなーと感動しました。
売れないけれど、純粋に映画を愛し、仲間にも愛され、そして簡単に人に騙され、それに気付かない村田のお人好しぶりは、佐藤浩市さんの新境地です。

「誰にでも輝く瞬間があるー」これがこの映画のメッセージです。人生のマジックアワーは、何度でもやってきます。
三谷幸喜さんは、とても不思議な人だな、と思いますが、本当に映画が好きで、心の温かい人なのだな、とこの映画を観るとわかります。
最後のエンディングロールでは、作り手皆さんの名前が平等に並んでいました。もちろんご自分の名前も他の方たちの中に控えめに入っていました。
良い映画を作るには、良い仲間がいること。映画の中のセリフにもありましたが、そんな三谷さんの映画への愛情が感じらる作品です。

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崖の上のポニョ

女の子なら子供のころ好きだった童話がひとつはあると思います。「シンデレラ」、「白雪姫」、「眠れる森の美女」等。シンデレラが一番人気かしら?私は子供のころから物語が大好きで、毎晩母に絵本を読んでもらいました。その中で一番好きだったのは、「人魚姫」。来る日も来る日も繰り返し読んでもらい、暗記をしてしまうほどでした。「人魚姫は海の泡になって、消えてなくなりました…」この最後のフレーズがお気に入りでした。子供心にも悲しい話だとわかっていたけれど、シンデレラやその他のお話は、嘘っぽいな、とひねくれた私は思っていました。人魚姫が愛する人に会うためだけに人間になり、愛する人に気づいてももらえず、その人のために死んでいく、という理不尽なストーリー展開と彼女の健気さが大好きでした。これぞ女の本質ではないかと大人になった今も思います。

「崖の上のポニョ」はジブリ版人魚姫です。私は究極のラブ・ストーリーだと思いました。宮崎駿さんは、近頃ラブ・ストーリーが続いていますね。「ハウルの動く城」もそうでした。「あなたはそれでも愛せますか?人間じゃなくても。年が大きく離れていても。外見がどんな風でも。」というメッセージが聞こえてきそうです。

このところのジブリ作品「ハウルの動く城」、「ゲド戦記」は惜しい、というのが私の正直な感想でした。作品のテーマが深いだけに絞りきれていないというか、あとひとひねり、といった感想を持ちました。ただ、ハウルの声を担当した木村拓哉さんと「ゲド戦記」の主人公アレンを担当した岡田准一さんは素晴らしかったです。

さて、「崖の上のポニョ」。CGを一切使わず、手書きにこだわったそうです。確かに映像は他の作品に比べシンプルです。何かのインタビューで宮崎さんが「作品の質を上げるために努力し、精査してきたけれど、何かギスギスしてきてしまう。そこで、原点に返ることにした。」と言っていました。ストーリーもとてもシンプルでよくまとまっていたと思います。

魚の子ポニョは、好奇心旺盛で少し勝気な女の子。ある日家出をしたポニョは、崖の上に住む心優しい男の子宗介と出会います。弱ったポニョを助けた宗介は「大丈夫。僕が守ってあげるからね」とポニョを守る事を誓います。一度は連れ戻されながらも、宗介に会いたい一心でポニョは宗介の元に戻ってきます。その後様々な困難が二人の邪魔をします。「人間ではないポニョを宗介は本当に愛することができるのか?」宗介がポニョを受け入れられなければ、ポニョは泡になって消えてしまいます。そして、二人に最大の試練がやってきます。

登場人物も少なく、男性、女性のそれぞれの特徴を凝縮したシンプルなキャラクター設定でした。ポニョは、勇敢で愛することにまっすぐな女の子。宗介は、すべてを受け止める優しさを持った男の子。宗介の母リサは、強気だけど反面弱さも併せ持つ、夫を待ち続ける女性。耕一(宗介の父)は船乗りで、家族を愛する強い父。フジモト(ポニョの父)は不器用で、悪になり切れない男。そして、ポニョの母グランマンマーレは、母なる海の象徴。美しく小さな海辺の町を舞台に心優しい人々に囲まれながら、シンプルに物語りは進みます。すべてを捨てて、ただ愛する人と生きたいと願い行動する、強く、元気なポニョに私も見習おうと思いました。

さて、ここで唐突ですが、わたくしが勝手に選ぶアニメーション作品ランキングsign03を発表したいと思います。ジャガジャンheart04

第1位 「千と千尋の神隠し」sign01やっぱり今回も1位の座は変わりませんでした。映像、ストーリー、独創性、すべての面で素晴らしい作品でした。私は2回観ましたが、千尋がおにぎりを食べるシーンで、2回共千尋と一緒に泣きました。生きることのせつなさと生命力に満ちた素晴らしい作品です。

第2位 「レミーのおいしいレストラン」sign01良かったです。ねずみのレミーが料理人の夢をあきらめず、自分の信じた道を生きる物語。実写ではありえない設定を上手く活かしていて、見応えある映像と計算されたストーリー展開。ねずみだけど、夢を追って生きる姿はとっても格好良いです。

第3位 「ルパン三世カリオストロの城」sign01男性陣に根強い人気の作品です。しかも、宮崎駿さん初監督作品としても有名です。私はルパン好きというよりも、このお話が好きです。ルパンが唯一何も盗まなかった一件。ただし、彼女の心以外は。このラストシーンはあまりにも有名です。さて、同一3位はもうひとつ。デイズニー作品の「ポカホンタス」sign01先住民の女の子と白人の恋物語でした。実は細かいことはもう覚えてないのですが、ディズニー映画らしい、生き生きとした作品でした。良かったってことだけは覚えています。

子供向けかな、と思いつつ観に行くと、意外と大人の心に響いたりします。「千と千尋~」をいつか超える作品に出会えることを願いつつ。おばあちゃんになってもせっせと映画館に通い続けたいと思います。隣に穏やかで優しい面影のおじいちゃんと手をつなぎながら。あ~、なんて素敵なんでしょうchick

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痛いほどきみが好きなのに

なんだか映画情報ばかりが続きます…。原題「THE HOTTEST STATE」なぜHOTTEST STATEなのか?それは映画の中で触れられています。

イーサン・ホーク監督、脚本、原作、出演。約10年ほど前に書かれた同名小説は、イーサンの自伝的小説と言われています。日本でも97年に「ホッテスト・ステイト」として単行本化、02年には、「痛いほどきみが好きなのに」で文庫化されています。興味がある人は読んでみてください。映画監督としては、2本目でしょうか?以前「チェルシー・ホテル」という映画を作っています。私は、もちろん見ましたlovelyその名の通り、NYのチェルシーにあるホテルを舞台にしたスタイリッシュな映画でした。今回の映画は、小説よりもライトに仕上がっています。この物語がイーサン自身の中で時間の経過とともに冷静に昇華されていったのだろうと思います。

NY。若手俳優のウィリアムは、行きつけのバーで不思議な魅力を持つサラという女の子と出会います。サラはいつも緑色のワンピースを着ていて、ちょっと太目の女の子。そんな今時ではないサラにウィリアムは一目で恋に落ち、出会って3日目で一緒に住む(結果的には一時的にだけど)ことを提案します。サラも彼に恋をします。けれど、彼女は大きな失恋から立ち直ったばかり、自立を誓ってNYに来たばかり…。

「セックスしたら、もっとあなたを好きになってしまう。それが怖いの」サラの不安と恐怖心はウィリアムを傷つけていきます。なぜ自分を受け入れてくれないのか?自分は愛されていないのか?愛されるべき人間ではないのか?ウィリアムの苦悩は深まります。そして二人で出掛けたメキシコ。やっとの思いで結ばれ、愛し合う二人。けれど、その日々を最後に二人の気持ちはすれ違っていきます。

小説の中では、ウィリアムの心情が詳細に描写されています。彼にとっては、サラは特別だった。今まで女の子に不自由をしたことのない彼が、美人でもスタイルが良い訳でもない彼女に恋をした。サラと出会って以来、神様と対峙しているような気分だ、と。彼女といると自分になれる、と。

イーサン・ホークは、孤独の匂いのする俳優です。私が彼を好きになったのは「リアリティ・バイツ」を見て以来。大人になりきれない若者たちが、目の前の現実や恋愛にもがき苦しむせつない物語です。その他にも彼は心に傷を持っていたり、一途に一人の人を想い続ける、という役を好んで演じているように思います。前回のブログでも書いた「恋人までの距離」、「ビフォア・サンセット」もそうですが、「大いなる遺産」、「ヒマラヤ杉に降る雪」など、一人の女性と出会い、苦しみ、それでもその愛に生きる青年を好演しています。もしかしたら、若い頃のサラとの出会いと別れが影響しているのかもしれません。そして、幼い頃の両親の離婚が彼の人生観に影を落としているのは事実だと思います。すべてはそこからスタートしています。埋められない淋しさを知った日から。私は、そんなイーサン・ホークの背中と目が大好きです。スクリーンに映る彼の目には、大切なものを失ったことがある人が持つ哀しさが映っています。

映画の中で彼は言っています。人生は思っていたより良いものではなくて、手にした愛だってなくなってしまう。だけど、前に進み続けるしかないんだー。映画のラストと小説のラストは少し違います(もちろん、二つを比べるのは馬鹿げたことだけど)。私は小説のラストが好きです。

メキシコ(小説ではパリだけど)で二人は盛り上がり、神様の前で結婚を誓い合います。旅行から戻ると、我に返ったサラから一方的に別れを告げられます。ウィリアムは状況が飲み込めず混乱し、けれどサラの心は離れていくばかり。ジリジリと徐々に傷つけられながら、別れを受け入れていきます。彼の心がやっと落ち着きを取り戻した頃、サラから会いたいとTELが掛かってきます。ウィリアムは「もしかしたら、彼女は妊娠をしていて、それが本当の僕たちの別れの原因で、責任を取ってくれ、と言ってきたのかもしれない」と喜び勇んでサラに会いに行きます。けれど、そんなことはありませんでした。彼女は「ただ、私の働いているところを見てほしかった。私が特別でもなんでもない、ただの保育士だと知ってほしかった」と言います。最後にウィリアムはサヨナラさえ上手く言葉にできないまま、彼女の頬にキスをしてイースト・リバー沿いを去っていきます。まるで孤児になったような気分で。最初から孤児なんだ、と自分に言い聞かせながら。

サラは何もわかっていません。ウィリアムはサラがすべての人にとって特別だ、なんて思っていませんでした。彼にとって特別なだけだったのに。今まで出会った中で一番正直で人間らしかった。まるで、それまでの人生を肯定してもらったかのような。神様からの贈り物だと思っていたのに。私にもウィリアムだった日があった気がします。川沿いの、あの風が強く吹く道で。ウィリアムが母親にポツリと言うシーンがあります。「母さん、僕は彼女を本当に愛していたんだ」言葉はどうして必要な時にちゃんと出てこないのだろう。

自分でもコントロールできないほど人を好きになったことが誰にでもあると思います。父親役で登場しているイーサン自身が言っています。「俺にだってあるさ。雨の日に古傷が痛むように時々疼くような恋が」。THE HOTTEST STATE-心はいつもそこに。

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「パリ、恋人たちの2日間」

「2DAYS in PARIS」を観ました。面白い…。笑いました。もちろん、れっきとしたラブ・ストーリーなのだけど、とってもクレイジー。でも、そのクレイジーさ加減が良い。

ジュリー・デルピー監督、脚本、製作、編集、音楽、主演。ジュリー・デルピーといえば、「恋人までの距離 ビフォア・サンライズ」、「ビフォア・サンセット」を知ってる人も多いはず。イーサン・ホーク(私の大好きなheart)との共演の。イーサンについてはまた後日書きますが、ジュリーにとってもきっと大切であろうこの二つの作品との出会いが彼女のキャリア、才能、今回の作品にもかなり影響していると思います。ラブ・ストーリーで今でも心に残っている映画は数少ないけれど、この「ビフォア~」シリーズは、私のラブ・ストーリーベスト3に入ります。ふいに出会ってしまった大きな予感のする恋に飛び込むまでの戸惑いと不安、距離を縮めていくまでの心の動きを二人の会話だけで見事に表現しています。誰もがソウル・メイトを探していて、けれどそれは、時間も距離も越えて信じる、ということが試されます。まるで、私自身へのメッセージかのように胸に突き刺さった映画たちでした。

さて、今回の「パリ~」はラブ・コメですが、男女が徹底的に向き合い、会話を重ねながら理解を深めていく、という点では上記の二つと似ています。付き合って2年になるフランス人のマリオンとアメリカ人のジャック。二人はベネチアへのバカンスの帰りにマリオンの故郷であるパリにやってきます。観光旅行で疲れ切ってパリ到着したジャックに英語の話せないマリオンの家族、元彼たちが遠慮なくフランスっぷりを発揮します。SEX、芸術、食に対して大らかであくまでも個人主義なフランス人にアメリカ人のジャックもタジタジです。そして、出会う人出会う人がマリオンと身体の関係があった男や色目を使う男ばかり…。ジャックのストレスもピークに達し、二人に別れの危機が訪れます。ジュリー・デルビーやこれらの作品について素敵なブログがあるのでこちらも是非。

物語はとってもテンポ良く、ユーモラスに進みます。それにしても、ジュリー・デルピー、すごいですね。こんなに英語も達者だったかな、と思いました。私個人的には、毛むくじゃらでニコリとも笑わないジャック役のアダム・ゴールドバーグ好きですけどwinkそれにこのマリオンのキャラクター、演じていて楽しいだろうな、と思います。レストランで偶然隣に座ったひどい仕打ちをした元彼にキレまくるなんて、やってみたいと思いません?「ビフォア~」シリーズはお互いが相手の気持ちを探りあい、傷つくことを恐れながらも「この相手こそ特別なんだ」と確信を持つまでをほんの1日という短い時間に詰め込んでいます。そういう意味では「パリ~」も二人の関係が本物であるかどうかをパリでの2日間にギュっと凝縮しています。

きっと女の子はこの物語に共感するんじゃないかしら。最後の件でマリオンはジャックとの別れを覚悟します。マリオンは言います。「私にはどんなことも一人の人と乗り越えていく、なんて誓うことはできない。失って、探して、長い孤独の先にまた希望がある。その繰り返し。」最後のシーンで泣いていたのは劇場内で私だけだったかもしれません。誰か一人を信じるなんて恐ろしい。けれど、やってみる価値はあるかもしれない。

観てみたい人は急いで。もうすぐ終わっちゃいます。この作品はイーサンの「痛いほどきみが好きなのに」とのコラボ上映です。この話はまた次回note

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インディ・ジョーンズ!

どうもこんにちは。早速ですが「インディ・ジョーンズ クリスタル・スカルの王国」を観てきました!私にしては、素早い動きです。近頃は、忙しくしていて後回しにしていると、あっという間に観たい映画が終わってしまう、ということがよくあります。体調万全ではありませんでしたが、今日を逃すとなかなか行けそうもなかったので、頑張りました!

私はどちらかと言えば大作よりも地味なヒューマンドラマを好みますが、このシリーズと「ロード・オブ・ザ・リングス」だけは別ですhappy01特に「インディ・ジョーンズ 最後の聖戦」はとても記憶に残っています。まだ10代だった私は、ワクワクドキドキして、「映画ってほんとにすごいなー」と感動したものです。

そんなインディアナ・ジョーンズ好きにはたまらない今回の「クリスタル・スカルの王国」。もちろん主演はハリソン・フォード。昔の恋人マリオンも出てきたり、全シリーズを観た方はにんまりするシーンも多いはず。ハリソン・フォードも走る走る飛ぶ飛ぶ…と元気でした。私は、映画の中のジョーンズ博士とハリソンの実年齢がちょうど合っていて、渋くてカッコいい!と思いました。余談ですが、最近60代前半の男性も意外と素敵って思ってしまうわたしがいます…。ま、でもキャリスタ・フロックハート(私の大好きなアリーheart04)も惚れるくらいだからな。話は元に戻しますが、各シリーズ舞台、設定は違いますが、インディはいつもインディです。今回もあくまでもインディは「インディ・ジョーンズ」。タフで強いインディがいて、知的好奇心をくすぐるストーリー展開とユーモアもたっぷりです。それに加えて今回は、年齢を重ねた味わいも増し、ハートウォーミングな気持ちにもなれると思います。マットがインディと初めて話をするカフェでの乱闘シーンなんかは50年代後半のアメリカ文化も楽しめる面白いシーンだと思いました。

いつも思いますが、こんな風に映画は人にプラスの感情を与えるものであってほしいな、と思います。

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中国人監督の映画

少し前の映画の話ですみません。でも、印象に残っている映画2本をご紹介します。

まずは、「マイ・ブルーベリー・ナイツ」。ノラ・ジョーンズ主演、「恋する惑星」、「ブエノスアイレス」のウォン・カーウァイ監督の映画です。

男女の別れは理不尽なくらい、ある日突然やってきます。残された方は「なぜ?どうしてなの?」と理由を探します。理由なんてそこにはないのに…。そんな、傷ついた彼女を温かく見守るカフェのオーナー(ジュード・ロウ)は言います。

「…ブルーベリーパイはいつも売れ残ってしまう。ブルーベリーパイが悪いわけじゃないのに。ただ、選ばれないだけなんだ。」

彼の優しさやユーモアに触れながらも、それでも大好きな人とのさよならの後、次の恋へのステップには時間が掛かります。

ラブストーリーを得意とする監督の珠玉の1本です。以前は少し大味に感じられたストーリー展開も、今回は主人公の気持ちを丁寧に追っていました。そして、独特の映像色。アメリカのよくある町のよくある人間模様を生々しく描きつつ、愛を信じて生きる人々についての物語です。ひとつの恋が終わった時、誰もが変わりたいと願います。けれど、ありのままの自分を受け入れてくれる人は案外近くにいるのかもしれません。眠っている彼女に彼がキスをするシーンは素敵ですね。こんなに辛抱強く待っていてくれたら、彼女じゃなくてもきっと戻ってくると思います。

心地よく観られる「マイ・ブルーベリー・ナイツ」とは対照的にいろんな意味で衝撃的な映画が「ラスト・コーション」です。「グリーン・ディスティニー」、「ブロークバック・マウンテン」のアン・リー監督。

抗日戦争中の上海。スパイの女と命を狙われている男。ギリギリの精神状態の中、愛し合い、貪るように生きる2人。生きるとは?愛とは?そんなことを考えさせられます。ただ純粋に祖国を愛する女と誰も信じることができない孤独な男。互いに時代に翻弄され、常に恐怖と向き合う毎日。抱き合うことでしか、生きていることを実感することができない。

どんな生き方であれ、それぞれがそれぞれの立場で何かを信じ、必死に生きている骨太な中国人らしい映画です。新人のタン・ウェイという女優さんも瑞々しい演技で良かったし、トニー・レオンも孤独でピリピリするような神経までも伝わってくるようでした。時代背景しかり、生きることの哀しさとせつなさが胸に響く濃い映画です。いつもニコニコと穏やかな表情のアン・リー監督のどこにこんな激しさが隠れているのだろう。

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